月と波のこと。
人はただただ自然を求めているのではないのかもしれない。
石垣島のビーチに立っていると、
不思議なことが起きる。
人の感受性が、少しずつ戻ってくる。
それは、何か特別な演出によって起きるものではない。
大きな音楽や派手な光や過剰なサービスによって起きるものでもない。
月があり、波があり、風があり、暗さがある。
夕暮れから夜へと変わっていく空があり、急がなくてよい時間がある。
その中に数日だけ身を置くことで、
人は少しずつ、自分の中にあったリズムを思い出していく。
人は自然を求めているのではないのかもしれない。
自然の中で思い出す、自分自身を求めているのかもしれない。
月も、
波も、
風も、
音楽も、
何かを与えてくれるのではないか。
もともと自分の中にあったものを、
静かに思い出させてくれる、
何かを。
We remember the rhythm that was already inside us.
石垣島のビーチで起きているマジックは、
月や波そのものではなく、
人が本来のリズムを思い出していく過程にある。
だから「月と波のこと。」は、
自然を紹介するためのプロジェクトではない。
人が自分の感受性を取り戻すための
記録であり、
場づくりであり、
人が本来のリズムを思い出していく、
その実践であり、
祈りである。